根管治療
根管治療の精度が低いと、菌を取り残すことで症状が進行してしまう恐れがあるため、歯科医師の技術や使用する医療機器などが非常に重要です。当院では、根管治療をやり直すことがないように、精密な治療を心がけております。
CTやデジタルレントゲンを用いて根管の本数や形態を把握し、さらにはマイクロスコープやラバーダム、ニッケルチタンファイルなどを使用します。治療後に装着する被せ物も、歯科技工士と連携して精密で患者様に合った補綴物を作製します。
根管治療の精度が重要な理由
根管内に細菌が入り込んだり、被せ物と歯のすき間にむし歯が再発したりする場合があります。根管治療の精度に問題があり、むし歯の再発をくり返すことになれば、やがて抜歯をせざるを得なくなります。また、歯根の先に膿の袋が発生し、再治療が必要になることもあります。このような事態を防ぐためにも、根管治療の精度を高めることが重要です。
根管治療は、複数回に分けて行います。少なくて1~2回、平均は2~4回、歯の根が3本以上ある場合はさらに多くの回数が必要です。このように、患者様の通院の負担も大きいため、信頼できる歯科医院で根管治療を受けることが大切です。
根管治療の成功のキーポイント
歯の痛みを訴えて来院された患者さまにCT検査を行ったところ、歯を支える骨がほとんどなくなっており、むし歯が大きく進行していることに気づいた例があります。CTはレントゲンのように平面の写真ではなく、立体的な写真を撮影するため、通常の検査ではわからないことも確認できます。
根管治療の内容
根管治療には、次の種類があります。
抜髄治療
むし歯によって壊死した神経を取り除く治療です。感染した神経を徹底的に除去するために、う蝕検知液を使用します。また、根管に薬を緻密に詰めて、再感染を防ぎます。当院では噛み合わせたときに歯根に大きなダメージが及ばないように、ファイバーポストという弾力性に優れた土台を使用しています。
感染根管治療
歯髄が壊死し、根管にまでむし歯が達した場合に行う治療です。患部をラバーダムで隔離し、唾液が流れ込まないようにしたうえで、マイクロスコープで視野を拡大して治療を行います。根管内の感染組織を取り除く際は、通常のファイルよりも柔軟性があるニッケルチタンファイルを使用し、複雑に入り組んだ根管内もすみずみまできれいにします。
再根管治療
再根管治療とは、根管治療で細菌を取り残すことで感染症が再発した際に行う根管治療です。歯の厚みがない、歯根が折れているといった場合は、抜歯せざるを得なくなる恐れがあります。このような事態を防ぐためにも、1回目の根管治療を高い精度で行うことが大切です。
根管治療の精度を高める方法
ラバーダム防湿
ラバーダムとは、患部を口腔内から隔離することで、患部に唾液が流れ込むのを防ぐものです。また、根管治療に使用する強力な殺菌効果がある薬剤を飲み込んでしまうのを防ぐ役割もあります。ラバーダムを使用することで、再感染のリスクを抑えられます。ラバーダムを使用するのとしないのでは治療成功率は格段に異なります。
マイクロスコープ
マイクロスコープは、視野を拡大することで治療の精度を高められる歯科用顕微鏡です。健康な歯を削ってしまうのを防いだり、汚染物質を取り残すリスクを抑えたりするのに役立ちます。できるだけご自身の歯を長く維持するためにも、歯を削る量は最小限に留めなければなりません。当院では、マイクロスコープを用いて、削る量を最小限に留めるMI治療を行っております。
ニッケルチタンファイル